おからパウダーは食物繊維をたっぷり含む食品です。便秘解消に効果的と言われていますが、一部の人は逆に便秘になることもあります。
なぜ、食物繊維がたっぷり含まれているのに、便秘になってしまうのでしょうか。
その原因と対処法、効果的なおからパウダーの使い方などを解説します。
※この記事は、管理栄養士の「相田すみ子」さんがご紹介しています。
おからパウダーで便秘になることがあるのですが、その理由は、おからパウダーの食物繊維の種類や性質にあります。
おからパウダーは①不溶性食物繊維がメインで、②水を吸収しやすいという性質があるのですが、この2つが便秘を招く原因になることがあるのです。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、不溶性食物繊維は、腸内でふくらみ便のかさ増しをする役割があります。
不溶性食物繊維によって便がかさ増しされると、腸の動きが活発になります。便の量が増える+腸の動きが活発になることで、便が排出されやすくなる、というのが通常の仕組みです。
普段から便秘気味の方が不溶性食物繊維をたくさん摂ると、便秘が悪化することがあるのです。
便秘がひどいと腸の動きが鈍くなっているので、逆に便の量が増えると動かせない(排出できない)かもしれません。
そのまま腸内に大量の便が残ると、さらに便秘を悪化させることになるかもしれません。
よかれと思ってたくさんのおからパウダーを摂取するのは、気を付けたほうがよいでしょう。
おからパウダーは胃腸で水を吸収し膨らむので、満腹感が得られやすくなります。
水を吸収する=便に水分が行き渡りにくくなる可能性が高いので、便秘気味の場合は大量のおからパウダーを摂取しないほうがよいでしょう。
これまでの内容で「おからパウダーは食べないほうがいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、あることに気を付けると、便秘解消に役立てられます。
先ほど説明したように、おからパウダーは水分を吸収する性質があります。
おからパウダーを食べるときは、いつも以上に水分を摂ることを意識しましょう。特に便秘気味な方は気を付けてくださいね。
便秘を解消するなら、不溶性食物繊維だけでなく水溶性食物繊維も摂りましょう。
水溶性食物繊維は便に水分を与え、やわらかくする働きがあります。
特に便がカチカチタイプの方は、水溶性食物繊維を意識してください。野菜や果物、海藻に多く含まれています。
油分は、便をすべりやすくする働きがあります。
ダイエットや美容のために油分を控えている方も多いと思いますが、制限のしすぎはよくありません。
特に、おからパウダーを食べるときは、一緒に油分を含むものを食べるとよいでしょう。
便秘解消を狙って、一度に大量に食べるのはよくありません。
まずはスプーン1杯から試して、体の調子を確認しましょう。
出典:ESSEonline
便秘解消を狙うなら、ヨーグルトと合わせるのがおすすめです。おからパウダーの食物繊維に、ヨーグルトの乳酸菌が合わさることで、便秘解消に働きかけます。
おからパウダーをヨーグルトにふりかけて食べるだけなので、手軽で続けやすいのもポイント。
水溶性食物繊維を含む、果物をトッピングするのも◎です。
出典:旭松食品
バナナやほうれん草でスムージーを作る際に、おからパウダーを加えてみましょう。
きめが細かいおからパウダーを使うのがおすすめです。
出典:旭松食品
ポタージュを作る際に、おからパウダーを加えてみましょう。
手軽に摂れるだけでなく、おからの食感を感じにくいですよ。
おからパウダーはおからを乾燥させたものなので、効果的に差はないです。
生おからとおからパウダーの両者を比べたとき、同じだけの効果を得ようとすると、おからパウダーの方が少量で済みます。
少量で済む=毎日続けやすいと考えると、おからパウダーの方が便秘解消効果に効果が期待できそうです。
結論から言うと、目の粗さによって便秘解消効果に違いはないと考えられます。
何となく、目の粗いザラザラとしたおからパウダーの方が効果的な気もしますが、栄養素の違いはないので効果に差はありません。
食感の好みや、ふりかける料理によって使い分けるとよいでしょう。
おからパウダーを使うときのおさらいをしておきましょう。
適切に使えば、便秘解消に役立ち生おからよりも少量で済むだけでなく、料理の味を変えないので、毎日続けて使いやすいという特徴もあります。
便秘に悩んでいる方は、ぜひ毎日の生活におからパウダーを取り入れてみてくださいね。