麹は本当に体に良いの?古くから人気の発酵食品である麹の健康効果や調理ポイントを管理栄養士が解説します。麹を使って料理のバリエーションを広げよう!
体にいい、健康効果が高いなど常に注目されている麹食品。古くから日本人に愛されていて、発酵食品としても人気ですが、具体的にどのような効果があるかご存じですか。今回は麹の健康効果や、麹を使った料理のポイントを解説していきます。
※この記事は、管理栄養士の「矢崎海里」さんがご紹介しています。
蒸したお米や麦、豆などにこうじ菌を繁殖させたものをこうじ(糀・麹)と呼びます。米に付着させたものは米こうじ、麦に付着させたものは麦こうじ、豆に付着させたものは豆こうじとなります。発酵の際、米に花が咲いたように見えることから「糀」とも書かれます。
醤油や味噌、お酒を造る際にはかかせないもので、麹で発酵させることにより旨味や栄養価がアップします。
【1】美肌や美髪に効果を発揮
麹に含まれるアミノ酸は、皮膚や髪などの細胞の代謝に関わります。麹の割合が高い味噌汁を飲み続けると、シミの減少や肌の水分保持量がアップしたなどの報告もあります。他にも肌の構成に関わるビタミンB群を補えるのが特徴です。
【2】腸内環境を整える
麹にはたくさんの酵素が含まれています。その中でも注目すべきはオリゴ糖。オリゴ糖は野菜、果物、豆類などにも含まれていますが、腸内の善玉菌のえさとなり、善玉菌を増やす手助けをします。善玉菌は腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整えます。 腸内環境を整えることによって、便秘予防や感染症予防などに効果的です。
【3】免疫維持
免疫をつかさどる細胞の約70%は腸内にあります。オリゴ糖が腸内環境を整えることによって、免疫機能を正常に保つはたらきがあります。オリゴ糖と同じはたらきをする食物繊維や、発酵食品を組み合わせて食べるのがおすすめです。
肉をやわらかくする
肉や魚を漬け込めば、ふっくらジューシーに仕上がります。肉や魚などのたんぱく質と、麹の酵素プロテアーゼが合わさることでたんぱく質を分解。やわらかく、旨味がアップに繋がります。
これひとつで味が決まる
焼き魚やから揚げなど下味だけではなく、スープや煮物、浅漬けなどこれひとつで味が決まる万能調味料です。旨味も多いのでだし不要で調理できます。
調理前にしっかり拭って焦げ付き防止
塩麹は焦げやすく調理が難しい、と思っている方もいませんか。肉や魚を漬けたときは、焼く前にキッチンペーパーなどでしっかり塩麹を拭うのがポイントです。特に粒を取り除き、弱火で調理するのがコツです。
旨味や栄養価の高い麹。醤油や味噌などの定番調味料だけではなく、塩麹や醤油麹などの調味料を使うと、風味や甘みがアップ。いつもの味付けに飽きてしまった方にもおすすめですよ。