玄米は白米に比べて、栄養価や食物繊維が豊富です。便秘解消にも効果的な食べ物として知られていますが、人によっては便秘になる可能性があります。
今回は、玄米と便秘解消の関係について解説していきます。
※この記事は、管理栄養士の「相田すみ子」さんがご紹介しています。
玄米は栄養価が高く、食物繊維も豊富な食べ物です。便秘解消目的で白米から玄米に切り替える方も多いのではないでしょうか。
玄米は周りの皮を残しているので固く、非常に消化吸収が悪いのです。よく噛まないとあまり消化吸収がされず便秘になる可能性があります。
玄米は不溶性食物繊維を多く含むので、普段から便秘気味の人はさらに便秘がひどくなる可能性があります。
こう言うと、「玄米でさらに便秘になるなら食べない方がいいのでは」と思うかもしれませんが、正しい方法で玄米を食べれば、便秘解消に役立てられるのです。
どうすればいいのか、次で説明します。
玄米は消化吸収が悪いのでよく噛んで食べましょう。理想は“1口100回”ほど噛んで食べることです。
最初は100回も噛むのは大変かもしれませんが、しっかり噛むことで満腹中枢が刺激され、少ない量でも満足できるようになります。
不溶性食物繊維が多く含まれているので、水分をしっかり摂らないと便が固くなる可能性があります。玄米を食べるときは、水分補給を意識しましょう。
柔らかく炊くことも大切です。玄米は皮がある分、しっかり浸漬しないと柔らかく炊けません。
8時間程度浸漬する必要があるので、時間に余裕を持って炊いてくださいね。
油分はダイエットや健康の敵と思われがちですが、油分には便をコーティングしてすべりをよくする働きがあります。
不溶性食物繊維が多い玄米を食べるときは、料理に油分を適量使うようにしましょう。
水溶性食物繊維は、便に水分を与えて柔らかくする働きがあります。玄米を食べるときは、水溶性食物繊維を意識して食べるとよいでしょう。
水溶性食物繊維は果物や海藻などに多く含まれるため、玄米を食べるときは一緒に食べるのが便秘解消にはオススメです。
ひとえに玄米といっても、発芽玄米や浸漬時間がわずかで済む加工玄米があります。どちらも便秘解消に効果的なのは違いありませんが、栄養価や炊き具合に違いがあります。
発芽玄米とは、わずかに発芽させて栄養価を高めたものです。
ストレス軽減に役立つと言われているGABA(ギャバ)や、ビタミンE、ビタミンB1などを多く含みます。発芽する際には酵素が働き、糖やたんぱく質の一部が分解され、甘みやうま味がアップするというメリットもあります。
発芽の際にぬかが柔らかくなることから、白米と同じ炊き方ができたり、通常よりも柔らかく炊けたりします。
加工玄米には、浸漬時間を少なくしたり、白米と同じ炊き方でも柔らかく仕上がったりするものがあります。
加工というと体によくないイメージがあるかもしれませんが、玄米の表面にある防水性の高い層に傷をつけて、浸漬しやすくするといったものなので、過剰に手が加えられていません。
手軽に玄米が食べられるようになるだけでなく、消化吸収がよくなるのも加工玄米のメリットです。
玄米のパッケージには「白米と混ぜてもOK」と書かれていることがありますが「白米と混ぜると、便秘解消効果は落ちるのでは?」という疑問に思うかもしれません。
玄米だけを食べたときよりも食物繊維の量が減るため、便秘解消効果は落ちてしまうかもしれません。
白米と混ぜることで食べやすさはアップするので、初心者は白米とミックスして食べてもよいかもしれません。少しずつ玄米の割合を増やしながら、「このくらいが体に合っている」と確かめてみましょう。
「しっかり噛むこと」
「水分や油分を摂ること」
「不溶性食物繊維も併せて摂ること」
これらを意識して玄米を食べると、便秘解消に役立てられます。
玄米初心者は、加工玄米や白米とミックスして、体に合っているかどうか確かめるのもおすすめです。
便秘解消効果があり、栄養価も高い玄米を、毎日食べて健康な体を目指しませんか。