麺類は塩分が高い?管理栄養士である筆者が、ラーメンや和麺の汁に含まれる塩分と、塩分を摂りすぎずにおいしく麺類を食べるコツもご紹介します。麺類の塩分を知って上手に麺類と付き合おう!
塩分が多いメニュー、と聞いたときに思い浮かぶのはラーメンなどの麺類ではないでしょうか。スープやつゆに多くの塩分が含まれていて、飲み干してしまうとその一杯で一日の食塩摂取量を超えてしまうことも。とはいえ、なるべく我慢せず麺類を食べたいですよね。この記事ではラーメンや和麺の汁に含まれる塩分を解説します。
※この記事は、管理栄養士の「矢崎海里」さんがご紹介しています。
日本人における、一日の食塩相当量の目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、現状の摂取平均は10g程度と目標量を大きく超えています。塩分が多いと言われている麺類、種類によっては1杯で1日分の塩分になることも。ここからはラーメン、和麺それぞれの汁の塩分を紹介していきます。
ラーメンの種類によって含まれている塩分は異なりますが、とあるメーカーのスープのみの塩分は以下の通りです。
■ラーメンスープの塩分
・しょうゆ 6.3g
・みそ 7.1g
・しお 6.2g
・とんこつラーメン 7.7g
・担々麺 5.3g
どの味も一日の目標量に近い数字となっています。さらにスープだけではなく麺にも塩分が含まれるほか、チャーシューやメンマ、味つけ卵がのるとさらに塩分が増加。どのスープでも高塩分のメニューです。
■カップ麺の塩分
・カップヌードル 4.9g
・サッポロ一番みそ 5.3g
・麺づくり鶏だし塩 5.7g
・麵職人とんこつ 5.1g
こちらも一日の目標量に近い数字となっています。上記はカップ麺の数字ですが、袋めんも同じくらいの値となっています。
和麺のかけつゆにも、5~6g程度の塩分が含まれています。うどんには麺自体に塩分が含まれているほか、トッピングにかまぼこやかき揚げ、きつねなどがのるとさらに食塩摂取量は上がります。
■カップそば・うどんの塩分
・どん兵衛 天ぷらそば(東日本) 5.7g
・赤いきつねうどん(東日本) 6.6g
・黒い豚カレーうどん 5.8g
カップそば・うどんにも同じくらいの塩分が含まれています。どうすれば塩分を摂り過ぎず、おいしく麺類を食べられるのでしょうか。次からは塩分摂りすぎを避ける、対策ポイントを紹介していきます。
【1】汁は飲み干さない
基本ですが、ラーメンのスープ、和麺のつゆは飲み干さず、なるべく汁を残しましょう。汁をほとんど残した場合50%、汁を半分残した場合25%減塩ができます。汁を飲まないよう、穴あきレンゲを使用するのも有効です。
【2】カリウム豊富な野菜がたくさんのった麺類を
野菜や果物に多く含まれるカリウムには、余分な塩分を体外へ排出するはたらきがあります。塩分の強いものと一緒に摂るのも効果的です。普通の塩ラーメンより野菜がたくさんのったタンメンなどを選びましょう。麺のトッピングでなくても、一緒にサラダや野菜の小鉢を食べるなどの工夫も有効です。
【3】つけつゆは少しだけつけて
ざるそば1人前の塩分は約4.0g。つけつゆにつけて食べるメニューも、工夫次第で減塩できます。麺を全てつけつゆにつけて食べる時に比べ、先だけつけて食べる方が10%程度塩分を減らすことができます。食べているときだけではなく、食後そば湯でつけつゆを飲み干してしまわないよう気をつけましょう。
塩分が高いと分かっていても、たまには話題のラーメンや、カップ麺も食べたいですよね。長くおいしい食べ物を楽しめるよう、今から少しずつ塩分を意識してみましょう。