小麦粉を使うレシピで薄力粉や薄力小麦粉は使っていいの?気になる小麦粉と薄力粉の違いを管理栄養士がご紹介。それぞれの違いと特徴を知って料理をもっと楽しもう!
「小麦粉を使うレシピで、薄力粉を使ってもいいの?」「小麦粉って薄力小麦粉のことであってる?」と、悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は小麦粉と薄力粉の気になる違いについてご紹介します。
※この記事は、管理栄養士の「藤倉詩織」さんがご紹介しています。
レシピを読んでいると、材料に「小麦粉」と記載されていることがあります。
いざ家にストックしている小麦粉のパッケージを確認してみると「薄力粉」「薄力小麦粉」という文字が。この2つの違いはなんだろう?と思った方もいるのではないでしょうか。
次から小麦粉と薄力粉の違いをご紹介します。
小麦粉は穀類である小麦を、細かく砕いて粉状にしたものです。
薄力粉は、小麦の中でも軟質小麦という小麦が原料となってできた小麦粉です。原料となる小麦の種類によって、薄力粉のほか、中力粉・強力粉の3つに分類されます。
小麦粉は、薄力粉・中力粉・強力粉といった「小麦から作られた粉類」の総称として使われる言葉なのです。
レシピ内の小麦粉は、一般的に薄力粉のことを指します。レシピに小麦粉と記載のある料理やお菓子には、薄力粉を使いましょう。
薄力粉以外の小麦粉を材料とするときには、中力粉や強力粉と粉の種類が記載されている場合がほとんどです。
薄力粉・中力粉・強力粉の大きな違いは、水分と混ぜたときの弾力の強さです。
小麦粉に水分を加えてこねると、グルテンというたんぱく質が形成されます。グルテンは多く作られるほど、生地の弾力が強くなります。
できあがるグルテンの量は、原料となる小麦にたんぱく質がどのくらい含まれているかで決まります。
次からそれぞれの特徴について詳しくご紹介します。
(原料小麦)
粒が柔らかく、たんぱく質が少ない軟質小麦
(たんぱく質含有量)
7~8%
(用途)
ケーキ、クッキー、天ぷらの衣
薄力粉は、たんぱく質量が比較的少ないため、グルテンの形成量も控えめです。適度にやわらかく、ふんわりと仕上がります。
オススメは、日清フーズ株式会社「日清 手打ちうどんの小麦粉」
家でもおいしくコシのあるうどんが作りやすいように工夫された、こねやすい粉質が特徴です。
ボトルタイプの容器に入っているため、使いたい分だけ使えて、保存にも便利です。
ほどよい弾力とコシが出るので、うどんなど和風めんに使用されます。
オススメは、日清フーズ株式会社「日清 手打ちうどんの小麦粉」
家でもおいしくコシのあるうどんが作りやすいように工夫された、こねやすい粉質が特徴です。
小麦粉の中でも最も強い弾力で、ずっしりと、もちもちした食感につながります。
オススメは、冨澤商店「春よ恋」
国産小麦が原料として使われている、名前もかわいらしい強力粉です。焼きあがったパンからは、小麦の甘みや香りをしっかりと感じることができますよ。
小麦粉は、薄力粉を含む、小麦が原料となる粉類の総称です。薄力粉だけでなく、中力粉や強力粉も、小麦粉と呼ばれます。
とはいえ、レシピ上では、小麦粉=薄力粉という認識で問題ありません。
小麦粉と薄力粉の微妙な違いを知って、普段の料理やお菓子作りに役立ててくださいね。
参考文献
・日清製粉グループ『小麦粉百科』
・山崎清子ほか、2013年、『NEW調理と理論』、同文書院
・レシピ校閲者の会編、2017年、『おいしさを伝えるレシピの書き方Handbook』、辰巳出版